　毎年11月かｋら2月にかけての冬場は、ノロウイルスによる食中毒が多発しています。ノロウイルスは小さな球形をしたウイルスで、非常に強い感染力をもっています。ノロウイルスによる食中毒は、ノロウイルスが付着した手で調理し、そのノロウイルスが付着した食品を食べたりするなどして、ノロウイルスに感染することで起こります。
　ノロウイルスによる食中毒は、1年を通じて発生しています。特に冬場に多く、過去5年間の月別の発生件数の推移をみると、11月から増え始め、12月から翌1月が発生のピークとなっています。また、1件あたりの患者数が多くなる傾向があることから、1年間に発生する食中毒患者数全体の4割以上を占めており、時には患者数が五百人を超える大規模な食中毒となることもあります。

<感染経路は？>
➀　経口感染→ノロウイルスに汚染された食品を加熱不十分で食べた場合に起こる
➁　接触感染→感染者のふん便や嘔吐物に直接触れ、手や指にノロウイルスが付着することによって感染
➂　飛沫感染→感染者の嘔吐物が床に飛散した際に、周囲にいてノロウイルスの含まれた飛沫を吸い込むことにより感染
➃　空気感染→感染者のふん便や吐物が乾燥し、付着したほこりとともに空気中に漂い、吸い込んだりして口の中へノロウイルスが侵入して感染

〖ノロウイルスによる感染を防ぐには？〗
★持ち込まない！
　丁寧な手洗いや健康管理を心がける。
　腹痛や下痢などの症状がある時は、食品を直接取り扱う作業をしない。
★つけない！
　食品、食器、調理器具などに付着しないように手洗いをしっかり行う。
　トイレに行った後、調理施設に入る前、料理の盛り付けなどは特にしっかりと手洗いをする。
　指輪や時計などの外し、石鹸を使って洗う。指先、指の間、爪の間、親指周り、手首、手の甲などの汚れの残りやすいところもしっかりと洗う。
★やっつける！
　食品に付着したノロウイルスの死滅には、85℃～90℃、90秒以上の加熱が必要。
　調理器具は洗剤などで十分に洗浄し、熱湯85℃以上で1分以上加熱、又は塩素濃度200ppmの消毒液に浸して消毒する。
★拡げない！
　身近で発生したときは、ノロウイルスの感染を広げないために食器や環境などの消毒を徹底する。
　嘔吐物などの処理の際に二次感染しないように対策する。処理が終わったら丁寧に手を洗う。

『感染してしまったら？』
　下痢や嘔吐、発熱など、ノロウイルスによる食中毒と思われる症状がみられた場合には、無理をして仕事や学校に行こうとせず、医療機関を受診しましょう。
　ノロウイルスに感染していた場合、職場や学校に行ってしまうと、多くの人に二次感染を広げてしまう恐れがあります。また、症状があるときは、なるべく食品を直接取り扱う作業をしないことも大切です。

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